趣味 ベース  弾く 作る 語る

 

学生時代は時々思い出したように弾いていたが、仕事についてからは一人前になることに夢中で

ベースに触れる時間も無くなってしまった。

 

やがて子供が出来ると押し入れのどこに有るのかも忘れてしまうような有様。

 

 

それでも、少なくとも一年に一度は思い出したように楽器屋に脚が向いた。

木の表情、造形美、それらを眺めているだけで何時間も過ごすことが出来た。

 

特に個人工房で作られた楽器は高く珍しい木をふんだんに使っていたしコンセプトが明確だったので見ていて飽きなかった。

なにより、好きで作っている事が伝わって来るとこちらも嬉しくなる。

 

この楽器をどんな人がどんな風に作っているのか想像することも楽しかったし

「自分に仕事を依頼してくれる人もこんな気持ちなのかな」と思うとオーダーする気持ちを共感出来る気がした。

 

想像の中にベースを演奏している自分の姿は無くても楽しかった。
「俺は演奏することよりもベースと言う楽器そのものが好きなのかもしれない」と思うようになった。

 

 

 

45才の時、子供も手が離れ、すこしだけ自分の時間が出来るようになる。
一大決心をしてかみさんに頼み込んで楽器製作の夜学に通った。
 俺より一回りも若い先生が、19時から21時と言う授業の時間を大幅に延長していつも最終電車まで熱心につき合ってくれた。
授業の無い日は自分の仕事を終えてから(夜中の0〜2時)工房を片付け楽器作り(木工作業)睡眠時間は3〜4時間の半年だった。結局半年の授業で出来上がったのはFenderタイプのベース1本と、Foderaタイプの5弦ベースが途中まで。

その後時間を見つけ、何とかこの2本目も完成させた。


(下の写真は1本目のベース、2本目は近日公開! 2016 08.04記)

 
美しさだけでなく、精度が大切な楽器作りの体験は自分の仕事に大いに役立った。

デザインも、精度も、それまでの追求の仕方とは明らかに変わった。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業で作った一本目のベース Fender Jazz Bassタイプ

 

・ 授業ではネックのシェイプはほぼ出来てるものを使用

  指板調整とフレット打ち、擦り合わせ、塗装が主な作業

・ ボディは板から全て手作り

・ ロゴの【Glass Moon】は仕事の(ガラス)と自分のデザインの永遠の課題である(月)から命名