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雑誌【SUSU】掲載のご報告

SUSU 2011年11月号掲載のご報告
SUSU 2011年11月号掲載のご報告



西新宿に新宿パークタワーというでっかい建物が有りまして、デザイナーズ家具やこだわりのインテリア小物に出会うことが

出来る楽しいスポット。新しく家を建てる人も多く訪れます。


今回そちらで発行している“SUSU”という雑誌に、私が手がけさせていただいた仕事のステンドグラスが掲載されました。

この仕事のお話を下さったのは何度か一緒に仕事をさせていただいているパークタワー内に有る“OZONEインテリア”さん。

今回も素晴らしい仕事をされており、そのお手伝いをさせていただきました。


掲載された物件は2010年に仕事をさせていただいたS邸です。



 

写真に写っているのがS様ご夫妻。

 


ご主人はとても温和で包み込むような大きな存在感の有る方。
奥様も温和な方ですが行動と決断がとにかく早い!お屋敷の大改造の最大の立役者、笑顔が魅力的な方です。

 

S邸は築300年、東京都心に有りながら大空襲も関東大震災も乗り越えて来た歴史と日本の建築の魅力に溢れた大邸宅でしたが
近年、建物自体の劣化や耐震に対する不安などからS様ご夫妻は根本的に建物に手を加える決心をされました。
新築という選択ももちろん考えられましたが、歴史と思い出の詰まった建物そのものに愛着を持っておられたSさんは

あえて大変なリフォームを選択をされました。

私も初回打ち合わせから足掛け3年(お母様が亡くなり途中工事が中断した。)伺うたびに建物が生まれ変わる過程を見る事が出来ました。
解体から再建築まで1年半。前打ち合わせから数えると3年。

「古いものの良さを残しながら新しい感覚も取り入れる。」という難しい課題は携わった人、全てにとって大変だけどやりがいのある仕事だったと思います。


 

 

S邸は表面的な簡単な補修は何度もされて来ましたが建物の根本、基礎から手を加える大掛かりな工事は初めてです。

壁や天井、床が取り去られて行くと、巨大な曲がりくねった木材を丁寧に上手に組み合わせてある梁や、床下を支える根太が見えてきます。
これらには手斧(チョウナ)の跡など古来の大工道具の跡が残っていました。

その美しい梁を見ていると、300年前に建築に関わった大工や職人たちの誇らしげな姿が見え、会話が聞こえて来るような

建物自体が有機物であるような不思議な感覚がしました。

 

 


私はモダンに生まれ変わった玄関とリビングにステンドグラスを制作させていただきました。

 

今、思い返しても、この仕事に関われた事はとても幸せでした。「腕一本で生きて行く」今は失われつつあるそんな誇り高い職人たちの仲間に
加てもらえたような気がしたからです。